森を考えるカフェに行ってきました。
2010年 05月 13日
ネットで存在をみつけて、前々から森林環境に興味はあったものの、なかなかとかかりがなかったので、これは良いやという事で参加しました。
完全に知らない人で参加しているのは私だけで、あとは皆知り合いどうしのようでした。
良い企画だと思うんですけど、まだ一回目ですからね。これから認知度が上がれば参加者も増えるでしょう。
今回は栗駒木材さんという木材屋さんのお話で、木材業界や森林の現状のお話を聞きました。
とても良いお話でした。なんとなくで知っていた事をうまく整理できました。
まず日本は現在有史以来最大の森林量になっているそうです。それは戦後に一斉に植林したスギやヒノキが大きくなってきているから。
現状それが利用される事なく、経済性のみで外国産材が使われています。木材の自給率は20%位しかないそうです。
日本で1年間で出来る量は1億㎥あって、それは日本で消費される量をまかなえるほどの量なんだとか。
環境を考えるのであれば、おかしな事をやっているわけですね。しかもその外国における持続不可能な伐採がその国の自然環境をおかしくするような事も起きてしまっているそうです。
外国で生産された木は日本の湿潤な環境におくと腐りやすい面があり、それを防ぐために余計な薬もつかわないといけなくなるみたいです。
木も土地によって育ち方が変わるわけですね。となると木も地産地消を進めないといけませんね。
足らないんだったらまだ分からなくはないけど、経済の仕組みだけでそういう事が起きているのはなんとかできないものかなと思います。
それと人工的に植栽された森林は間伐が行われず、ほったらかしにするとおかしくなってしまうんですよね。このスライドで、左が間伐がなされていない森、右が間伐されている森です。
間伐がされないと光が入らなくて、木も使い物にならないし、足元に植物が育たないので、植生も貧しくなってしまうんですね。
それが野生動物の食糧難にもつながって、それが里に出没して農作物を荒らす事につながっているのかも。
CO2の吸収という事を考えても、ある程度年数が経った森は光合成量が減るので、一度切って新しい木を植えないといけません。
切らなければそこに炭素を固定しておくという事にはなると思いますけど、よその国の木を切っていたり、化石燃料を使って地下からCO2を掘りだしていては意味がないですよね。
なので日本の森林(人工林)を更新する仕組みを考えないといけないんです。
そこで栗駒木材さんでは国産材を生産し流通させるような活動をしていて、さらには木材をペレット状にした燃料を生産し始めているそうです。
木材のペレットです。もらってきました。これを燃やして燃料にします。これだけでエネルギーの自給はできないかもしれませんが、以前行ったサイエンスカフェでエネルギー消費量を考えた時に暖房と給湯にかなりの部分を使っているという話を聞いた事があるので、そこの部分を担ってくれただけでも大きいんじゃないかな。
私はこのペレットにすごく興味があって、くずまきでそんな事をやっていてエネルギーを生産しているというのを聞いて、行ってみた事があります。
蔵王って森が近い場所にあるので、それがエネルギーに使えんじゃないの?ってずっと思っていたんですよね。
多少コストがかかっても森林環境を整えるのと、地域にエネルギー産業を作ると思えば考えてみる価値はありそう。観光地なんだからそれを消費者に見せてPRする事ができるし。
“環境保全宣言の町”と大きな看板をあげているんだから町の方で考えてくれないかなぁ...
ものすごくザックリ言うと、空気中のCO2が増えているのは地下資源を燃やしているからです。地上の資源を燃やす分にはプラマイゼロです。
燃やさないのが一番なのですが、現状地下資源を燃やしているわけだから、エネルギーの使用を抑える事と並行して、こんな材料を使うのは手段の一つとして良いんじゃないかなぁ。
お話の後にカレーをいただきました。玄米が使われていましたね。ライスフィールドという名前だけあってお米にはこだわりがあるのかな。
このお店も自然で良い雰囲気でした。
このカフェは奇数月の第二木曜に開く予定だそうです。
興味のある方はこちらからチェックしてみてください。
私はちょくちょく参加してみようと思います。
正直業界は違うし、自分はそこに対して何ができるわけでもないかもしれませんが、“本来やるべき事”という物を知っている事で、自分の普段やっている事や自分の周りの世界を改善する事はできるかもしれないと思うので。
現状は“まだまだ”なんですけどねぇ...