柿むきあうも多少の縁
2010年 12月 01日
宮城県内のグリーンツーリズムに携わっている人達が集まって交流する大会です。今年で5回目(1回目は加美、2回目は蔵王、3回目は南三陸、4回目は栗原(記事1・記事2・記事3・記事4・記事5・記事6・記事7))で去年までは色んな場所で県内全部を集める形だったのですが、今年は日程をずらしながら県内をいくつかの地域に分けて、その地域内の人を中心に交流会を開く形したようです。
今回仙南地域の会場になったのは丸森町です。
丸森は外からの移住者が多い地域で、都市との交流も盛んなイメージがありますが、近くに行った事はあるものの、現地の人の話って聞いた事なかったので、興味あったんですよね。
今回は“柿むきあうも多少の縁”というコピーで(良いコピーですね)、皆で干し柿作りをするという内容です。丸森は柿で有名なんですよね。
チラシに載っている柿のの写真が気に入ったから参加したいという母も一緒に行きました。二人とも自分の家でだいぶ柿むきしてるんですけどね(^^)
軽く開会式があったあとは早速作業へ。
まず柿をナイフでヘタの部分を削って、水平な状態にむきます。
その後ピーラーを使って、肩の部分を横にむいてなで肩状態にします。
あとはピーラーを縦に使ってむきます。
ひたすらむき続けます。やり始めると楽しいんですよね。
作業も楽しくやればレジャー(これ誰が言ってたんだっけかな)。
その後木の枠に並べて紐につけます。
説明してくれているのは丸森の八島さん。ウィットの利いた楽しいトークでした。
受入する時はこういう人は重宝しますね。
こんな感じに柿をずらりと並べて紐にくくっていきます。
柿と柿が触れ合わないように、柿のサイズによってこの器具のサイズも色々用意しているそうです。
やはり特産にしているだけあって段取りがしっかりしてます。
みんなで大きさ別に置いているようす。
できた柿は硫黄でしばらくいぶしてから干すんだそうです。
そうすると殺菌作用と表面が飴色できれいになるんだとか。
あとでみんなで吊るしました。
自分でむいた柿を後で送ってほしい人は名札をつけておいて、あとで出来上がったら送るんだそうです。うちは売る位あるんで頼みませんでしたが。
ちょっと名札をみたら、東京とか埼玉の人の名前が書いてありました。関東からもお客さんくるんですねぇ。
先ほど説明してくれていた八島さんの直売所です。
町の商店といった感じの所に地元の野菜や加工品を加えた形の直売所で、地元の人とよその人が両方派入りそうなお店。
奥に見えるのが12月の中頃にオープンする新店。2階は柿を干す場所にして、1階は体験ブース、直売ブース、簡単な飲食ができるブースと、外の人の受け皿の拠点になりそうな感じですね。右の方に見える階段は“柿色”にしたそうです。なるほど。全体この色だと暑苦しいけど、ワンポイントにこういう色を使うとオシャレですね。
商店の2階には柿がずらりと干してありました。いや~見事ですね。青空にオレンジ(柿色かな)のコントラスが美しいんですよねぇ。
隣接しているもう一軒の直売所、あがらいん伊達屋さんも見学。
八島さんの直売所と同日にオープンしたんだそうです。オープン当初は人口の少ない所に直売所を隣接させて作るなんてという事を言われたそうですが、お互いにちょっと個性が違うのでうまく相乗効果になっているそうです。
こちらは地元の野菜や地元産品に特化しているお店ですね。ちょっとおしゃれな雰囲気で、お弁当が人気らしいです。ちょっと見ましたが、これでこの値段!と驚くような内容でした。これならお客さん来るよね。
この辺の建物がなんか高い所に建ててあるので、“高い方が眺めが良くて良いよねぇ、阿武隈川も見れるし”なんて考えていたら全然別の理由でした。
ここは阿武隈川の川幅が狭くなる場所で、水位がとても高くなって、ひどいとさっきの商店も1階部分が沈む位になるんだとか。見てみると堤防もかなり高いし、“本当にこれが埋まるの?”って感じなんですけどね。驚きです。
眺めが良いとかお気楽な理由じゃないんですね(^_^;)
お昼は野菜を中心にしたお料理。
手作りこんにゃくとかキノコご飯とか美味しかったですね。
日帰りで時間が少なめだったので、あまり他の地域の人達とお話する時間はありませんでしたが、良い体験ができました。効率のよい干し柿作りも勉強できたし。
丸森で近所だと言っても意外と行かないので、無理に規模を大きくしないでも、まずは近所で顔を合わせて連携する形で良いんだろうなぁと感じて帰ってきました。
近所の方が連携しやすいし。
まず蔵王内で顔を合わせている人ですらそれほど現場を回っているわけじゃないですしね。やれる事からこつこつ肉づけするような形だと良いですよね。
まぁ蔵王に関して少し気になってるのは、蔵王から参加している人で実際に受け入れをする立場の人たちがいない事(酪農センターさんは行ってましたが)。行政の人や観光協会の人達が行ってくれる事はとても良い事ですが、実際に受け入れする人がいない事にはなぁ...ここが蔵王の特殊な所。
よその地域は受け入れをする当事者の人達プラス行政という感じで参加しています。
これはグリーンツーリズム交流会時代から感じていますが、間を取り持つ立場の人が一生懸命やる事は大事な事ですが、それ以上に当事者の人がいない事にはどうしようもないと思うんですよね。
第三者が一生懸命色んな事例を頭に詰め込んで“こうすべきだ”と唱えた所で、やるのは農家さん達ですから。
本当にやりたかったら、こっちが話をするんでなくて、農家さんの事情を色々聞いてみてどんな形だと農家さんの為になるかを考えるべきですよね。何の為にグリーンツーリズム活動をするのか?です。
私は以前からここの部分で考えが合わないんですよね。
“グリーツーリズム”というキーワードやよその地域でやっている事に踊らされずに、よその地域でやっている事を材料に、自分の地域ならどんな形が良いんだろう?というのを考える必要があると思います。
まず当事者でやりやすい形でやってみてそれから形を変えていった方が良いと思うんだけどなぁ。まぁ私は勝手にやっているから別に良いけどね(^^)