スローな岩手に学ぶ旅~ミルクとワインとクリーンエネルギーのまち葛巻
2012年 09月 09日
グリーンツーリズムも盛んで私の興味にストライクな町なんですよね。
噂を聞いて一度見に行った事もあります(過去記事)。
まずはくずまき高原牧場でランチ。
こちらは酪農事業の第三セクター施設で、乳製品加工販売や、グリーツーリズム事業の拠点にもなっています。
葛巻の牛肉のタタキを食べました。
肉ばかり食べてます(^^)
町職員の日向さんにお話を伺います。日曜なのに特別に付き合ってくださいました。
町の行っている事業とか考え方をほとんど資料見ずに完璧に話します。すごい。
エネルギーの町として有名ですが、あくまで葛巻町は酪農と林業の町(町の面積の86%が森林)なんだそうです。
酪農と林業の副産物を使ってエネルギーを生産し、それを町民に還元するという考え方で事業をやっていて、その取り組みが評価されてクリーンエネルギーのまちとして有名になったみたいですね。
そのおかげで葛巻のブランドが上がって、葛巻の生産物の価値を上げる効果も出ているようです。エネルギーというテーマで視察や観光で訪れる人が多くなっているみたいですし。
それでもエネルギーですよじゃなくて、あくまで酪農と林業の町という所が良いですね。まずそこの産業があってこそですものね。
葛巻のワインもなんで始めたかというと、林業を行ううえで邪魔になる山ブドウをとってワインにする所から始まっているそうです。なるほど理にかなっている。
話を聞いていてすごいなと思うのは足を引っ張る人がいないという事。町長が変わっても路線は変わらず。大抵前職のやった仕事を否定したりするもんですけどね。喧嘩している場合じゃないって事なんでしょうね。選挙となると相手の悪口合戦になってしまう(まず町の未来を語ってくれ)蔵王町も見習ってほしい(えてしてネガティブポイントが選挙の決め手になってしまうんだけど)。
視察は年に100件くらい来るらしいです。
年に100件も来ているのになんでもっと拡がらないの?と思いましたが、「よくこれ採算合うの?という話をされますが、そういう事を言っていると難しいでしょうね」という言葉を聞いて納得。
まぁそうだよね。
電気代安くしようとかじゃなく、未来の社会を作るんだという所に夢を持ってやらないとね。
エネルギー自給率が100%を超えると言っても、一度電力会社に電気を売る仕組みなので、震災の時は停電になったんだそうです。
考えてみれば発電はしていていも流通は電力会社ですからね。
せっかく町で電気を作っているのに町民に届けられないというケースが起きた事で、そういう時にどうするかも考えないといけないのかなというお話も出てましたね。
施設も見せていただきました。
木質バイオマスの発電設備。
1日3t処理して発電量が120kWの発電との事。あんまりでないものですね。
ただし熱が発生する(266kW)のでそれを利用する事ができればという所みたいです。
木のチップが大量に出るのでそれを処理しつつという考え方ですね。
熱とるなら薪を燃やすのが一番ですけど、流通させづらいし使いづらいしね。
家畜の糞尿や生ごみからメタンガスを作る施設。
こちらに貯めた糞尿(牛200頭ぶん)から
メタンガスがこちらにできて
液肥がこちらにできます。
発生するメタンはこの施設を稼働する程度のエネルギーらしいんですが、これがある事で家畜の糞尿を浄化する事が出来る事と、液肥が作れるんですね。
液肥を製造する施設だと思えばアリですね。有機農業にも使える液肥だから便利かも。有機は固形肥料は堆肥使えば良いけど液肥作るの面倒。追肥するのに液肥あると便利なんですよね。
それぞれに良い点があるので、周りにある素材を使ってどう利用するか?という事ですよね。
発電にこだわる必要はなく、熱は熱として利用した方が良いですしね(一度電気にするという行程でロスが生じる)。
施設は見ていないですけど、発電という事を考えると風力が良さそうな気がするなぁ。
ロットは小さいけど、酪農だって森林だって蔵王にあります。温泉あるから地熱もあります。
どの程度の風量が必要かわからないけど、七日原のあたりは風も強いです。
蔵王でもやろうと思えばやれるんじゃないですかね。
蔵王って海の物以外はわりと何でもあって(米、野菜、果樹、酪農、鶏卵、養豚、肉牛)、なんでもあるから伝わりづらい(ゼイタクにも)とか言っていますが、それって自給率という言葉に置き換えるというのもアリなのかもしれませんね。
食糧自給率とエネルギー自給率が100を超える町ができたらスローガンにある「憧れの町」になれるような気がします。現状は食糧自給すらどの程度かわからないのが現状ではありますが、世の中は常に動いていて、何がきっかけになるかわからないので、想いだけは書き記しておきます。
蔵王は農業と観光の町ですが、観光を突き詰めたら移住になります。住んでみてサイコーに幸せな町というのが目指すべき町の姿でしょう。町職員が隣町に住んでしまうような町ではいかんのですよ。
住みたい町を自分達で作りましょうよ(^^)/
非番なのにイヤな顏ひとつせず対応してくださった日向さんにはホント感謝です。
視察のお願いをした時に、「それならばランチを町の施設で食べて下さい」って営業する所とか素晴らしいですね。町職員の鑑です。
うちもそういうの作ろうかな~
自分の所じゃちょっとヤラシイ感じがするから、アトリエデリスでお菓子買うのが条件ですとかね。こっちから言わなくてもやってそうだけど(笑)