カンタ!ティモールというすごい映画観てきました。
2012年 08月 28日
たまたま仙台で知り合った人に“今度何人かの有志で集まって上映会するんです”という話を聞いて、映画好きとしてはそこまでしてみせたい映画ってどんなだろう?と思って観に行きました。
東ティモールってなんだか紛争あった所だったなぁくらいの認識しかなく、予告編を観る限りではそこに住んでいる子供たちのステキな笑顔満載で、そこの土地に生きる人間の生き方とかそういうのかなぁとか思ってたら、そんな生易しいものではなく、かなり重い内容でした。
東ティモール地区はポルトガルの占領国家だったのですが1974年に植民地から解放になった所、領有権を主張するインドネシアが併合しようしたんだそうです。
そこで独立を主張するティモールの人達とインドネシア軍との衝突になるわけですが、そこでインドネシア軍が虐殺やレイプを繰り返すわけですね。
映画ではその体験談を淡々とおだやかに語るのを聞くというスタイルなんですが、その体験談の内容があまりにも壮絶(目の前で家族を皆殺された話等々)で、聞いていると自分の感情の置き場がよく分からない状態に陥り、ただただ涙が溢れました。
怒りとか悲しみとかそんなんじゃないんですよね。あまりの事に頭が働かなくなるというか...
戦争になるとそういう事が起こるというのはなんとなくはわかるけど、実際に体験した人の話を聞くとやはり壮絶で想像の範囲を超えていてかなりのショックを受けます。
国連はインドネシアに対して撤退を求める決議をしているんですが、そんなの無視。
その時日本は撤退に対する決議に反対しているんですよね。しかもODAという形でインドネシアに多額のお金を援助。東ティモールの地下資源を狙っての事みたいです。
色んな事がありつつも、独立の是非を問う住民投票を勝ちとるわけですが、住民は焼き討ちされても投票権が残るように、土に投票権を埋めて投票日に備えたそうです。結果独立を勝ちとるわけですが、インドネシア軍による焼き討ちでほとんどの人が家をなくしちゃうんです。
ほんとインドネシアひどいなって話なんですが、そのティモールの人達はそれを恨んだりしていないんですよね。
過去に関して深い悲しみはあるけど怒りはないと穏やかに言います。
紛争中もインドネシア軍の兵士を捕虜にしても自分達がどういう想いでいるのかというのを言い聞かせて無傷で帰していたそうです。前の日に家族を殺した人間であっても。
映画に出てくるティモールの人達は、そんな深い悲しみがあっても皆穏やかな笑顔で良い表情をしています。
子どもたちは皆の子どもで、親も皆の親。子どもたちは皆仲良しでキャッキャと良い笑顔をしていて楽しそう。
私なんかにははかりしれない世界があるんですよね。
悲惨な話なのに、なにかしら救いを感じられるのはこの人達の笑顔のおかげですね。
上映後は監督(美人!)のトークイベントで裏話も聞きました。
独立を果たした後も色んな事があり、行ってみると雨が降ると浸水するような所で寝ているんですけど、それでも日本で起きた震災に心を痛めていて、しかもみんなで寄付金集めて監督に託してくれたなんて話を聞いて、また号泣です。
どこまで愛情にあふれた人達なんだろう。
とても私なんかが理解できる事を超えていて、すぐに何ができるわけではないけれど、せめて周囲に感謝する事を忘れずに謙虚に生きていかないといけないなと強く思いました。
あとは赦す気持ちを持つ事ですね。これがなかなか難しいんですけど。
色々自分のあり方を考える良い映画でした。
機会があったら是非観てほしいです。
自分がこのような状況にいたら、笑顔でいる事や人を許すことはできないかもしれないですね。
色々考えさせられました。
DVDを借りる時ってタイトルやあらすじを見て面白そうだなというものを借りるので、今回のようなものってなかなか観る機会ないかもしれませんね。
「レオニー」「トイレット」も、面白いですよ~^^
トイレットは荻上作品のやつですかね?
レオニーってのは初めて聞きましたね~
観てみます。
今も観たい映画色々あるんだけど、なかなか時間が合わないな~(^_^;)
すごく、いろんなことを感じる映画で、受け止めるには自分のキャパを軽く超えてしまったりします。
それでも、見つめ続けると、救いが待っている・・・そんな感じの映画ですね。(パンドラの箱みたい)
個人的にも、いろんな映画を観ていきたいので、おもしろい映画など教えてください!
全てが現実だという事実がとにかく重い。
色々考えさせられて、間違いなく私にとっては人生に残る映画になりました。
おススメの映画あったら書いていきますね(^^)